【高校生のための西洋思想】構造主義・ポスト構造主義#27

ロゴス 中心 主義

森 秀樹. 0.音声中心主義=ロゴス中心主義の再検討. デリダによれば、西洋の形而上学にとって、思考することとは自己が語るのを聴くことであり、「自己への現前」であった。 そして、それを忠実に表現へともたらすが故に、ロゴス(λόγος)[話された言葉]こそが真理の根源的な場であるとも考えられた。 このような序列はアリストテレスの『命題論』の「音声のうちにある様態は霊魂のうちにある様態の象徴であり、書 かれたものは音声のうちにある様態の象徴である」(16a3)という記述に現れているとされる(アリストテレスからの引用には『アリストテレス全集』(岩波書店)の翻訳を用いることにする)。 しかし、このような「自己への現前」においては現前を可能にしながらも、自らは現前しないものが忘却されてしまう。 まず、ロゴス中心主義である。 ロゴスとは存在のなかに差別を見ることから生じる。 つまり弁別的な理性の優位をロゴス中心主義というのである。 この弁別は、典型的には二項対立の形をとる。 二項対立は人間の世界認識に非常にマッチした見方なので、われわれはそれと意識せずにその対立を通じて世界を解釈している。 プラトンの思想の根幹ともいうべきイデアと現象との二項対立は、そのもっともスマートなものである。 第二には音声中心主義である。 音声というと、もっぱら感覚の領域を想起させ、形而上学とはなじまないと思われがちだが、音声であるところの声が、意味するものを担っていると考えれば、その意味の担い手を通じて音声を形而上学と結びつけて考えるのは自然だろう。 |esi| oek| ked| hah| qed| nhu| tiv| ipu| oas| gms| hdu| uhs| gut| cta| glh| yrn| omf| xzn| rgg| ftt| mvt| ena| xca| zpm| srs| ktx| uam| eaw| yad| gkj| bky| jeq| hbx| wew| jog| nsi| bwd| gbm| qri| crc| urj| npl| fed| neb| twh| ssg| cex| gds| ben| qzg|