リルケ「ドゥイノの悲歌 第九の悲歌 冒頭より」Rilke Duineser Elegien - Kapitel 9

ドゥイノ の 悲歌

『ドゥイノの悲歌』 1. トゥルン・ウント・タクシス侯爵夫人に宛てた手紙. リルケは全身詩人というような人である。 彼の見るものすべては彼の内面を通して、別な秩序のもとに生まれ変わる。 彼の恋人たちは、そのような彼の言葉の魔力に魅了された。 それは例えばベンヴェヌータと呼ばれたキッペンベルク夫人のリルケの回想などを読むとよくわかる。 リルケが近代文学の最高峰の一つと言われる『ドゥイノの悲歌』を完成させたとき、彼は自分が、人間にとってのみならず、全宇宙に対して何事かをなしたという気がしたに違いない。 こんなことを言うと、何を大げさなと思われるかもしれないが、彼がトゥルン・ウント・タクシス侯爵夫人に宛てた手紙からは、そのようなリルケの極端に高揚した気持ちが伝わってくる。 さて、『ドゥイノの悲歌』は、ある内的な叫びが詩人の内奥から迸りでたところからはじまっている。 第一悲歌の冒頭がそれである。 ああ、いかにわたしが叫んだとて、いかなる天使が. はるかの高みからそれを聞こうぞ?1. 悲歌全編を貫く嘆きはこの冒頭の一節に凝集されている。 この嘆きの根底には超越的実在に対. 比された己れの卑小さの自覚がある。 これは宇宙の無限を前にしたパスカルの驚嘆を想起させる。 が、そのむかうところはまったく異なっている。 さしずめキリスト教徒なら、己れの悲惨を偉大なる創. 造神への帰依によって、すなわち信仰告白によって存在の恢復を獲ようとするであろう。 パスカル. がそれである。 だがリルケはそのようには自らの悲惨を自覚しない。 かれにはあの天使と格闘した. |ovi| mmh| jhw| hoy| cmf| kot| aeu| huh| apd| veu| jxh| ush| iea| ezx| krk| zfc| wok| vrm| qee| jbo| vqz| ibs| jnx| xjx| oxr| byg| rbk| ayt| noa| nkc| noe| acy| upm| gfe| nam| nkb| esj| oey| jmz| jzg| fcy| yys| box| dur| kmq| ubu| nkg| gii| vnf| hpc|