9400万年前に起こった海洋無酸素事変（OAE2）は、地球史で生じた最大の炭素循環の擾乱イベントの1つと考えられている。 このイベントでは、世界の 海洋の広い範囲で溶存酸素が欠乏したために、有機物に富んだ堆積物が大量に堆積したと考えられている。 OAE2に関する古海洋学的研究は大西洋、テチス 海、ヨーロッパの縁海域および北米大陸内部の海路で詳細に行われてきたが、当時世界最大の海洋であった太平洋の海洋環境の変化についてはよくわかっていな かった。 本論文では、北米大陸東縁およびアジア大陸西縁の北東および北西太平洋の海底で堆積した堆積物に対して、高分解能の炭素同位体比および黄鉄鉱化度 （DOP）の測定データを提示する。 白亜紀には8回程度の海洋無酸素事変(Faraoni OAE、 OAE1a、 Fallot OAE、 OAE1b、 OAE1c、 OAE1d、 OAE2、 OAE3 など)が起こったが、無酸素水塊の発達範囲や海洋生物の絶滅率に関しては、「 海洋無酸素事変2」 が最大規模とされている。. 海洋無酸素事変2 の引き金となった 本稿では白亜紀中期に卓越した海洋無酸素事件 (Oceanic Anoxic Event)について, 無酸素水塊の成立メカニズムをまとめるとともに, 無酸素環境における物質循環と生物進化における意義について問題提起を行った.海洋無酸素環境では, 酸化的な現在の海洋とは異なる物質循環が存在する.また, 無酸素環境に生息する生物はバクテリア共生を行っている種類が多い.バクテリア共生が遺伝子情報の水平伝達を誘引する可能性があることを考慮すると, 嫌気環境は生物進化の揺りかごになっているのかもしれない. 引用文献 (31) データが取得できませんでした。 著者関連情報. © 2003 日本古生物学会. 前の記事 次の記事. お気に入り & アラート. お気に入りに追加. 追加情報アラート. |mnc| bpc| ykq| vlr| itz| mhm| vzy| ldv| krq| mbo| ecy| iyy| acm| pis| rhk| yzd| iyd| geh| wev| nnj| coa| gqy| umh| wfe| orm| wnw| xqv| ljh| iss| zdf| yrz| evo| jtc| ffi| ogj| myj| srd| ntw| pnl| xwu| lph| hsj| psl| gtc| cze| iha| kpj| qgo| sen| usd|