遠藤周作 「あなたはあなたを知っているか」

様々 なる 意匠

昭和四年九月、「様々なる意匠」(新潮社刊「小林秀雄全作品」第1集所収)が雑誌『改造』の懸賞評論二席に入って小林秀雄は文壇に出た。 この「様々なる意匠」こそ、各紙が伝えた「近代批評」の出発であった。 それまでは、文芸批評といえば他人の作品に得手勝手な難癖をつけるか、そうでなければマルクス主義その他の公式を作者や作品に押しつけて裁断するか、そのどちらかであった。 小林秀雄は、そういう批評態度に、わけても後者に厳しく詰め寄った。 詩であれ小説であれ、文学は作者の自意識の表現である、ならばこれと交感する批評もまた、評者の自意識の表現でなければならぬ、「批評とは竟(つい)に己れの夢を懐疑的に語ることではないのか! 」、そう言い放って「近代批評」の楫(かじ)を握った。 様々 ( さまざま ) なる 意匠 ( いしょう ) ―小林秀雄の文壇デビュー評論― 小林秀雄(1902~1983)の文芸評論。 昭和4年(1929)、総合雑誌『改造』の懸賞評論に応募、二位となる(一位は宮本顕治「敗北の文学」)。 小林秀雄「様々なる意匠」(昭和4年4月『改造』). 批評系. 小林秀雄 の文章は、主に学生時代、人並みに読んできたが、小林の批評について何かを書こうという欲求は湧かなかった。. 久々に読んでみた。. 全体を通して、極度に凝縮されたこの批評 「様々なる意匠」と「隠された意匠」――小林秀雄の手法と現代. ベトナム戦争の頃に『罪と罰』を読んだ私は、主人公の心理の詳しい描写やその文明論的な広い視野に魅せられた。 ことに、「非凡人の理論」を考え出して高利貸しの老婆を「悪人」と規定してその殺害を正当化した主人公のラスコーリニコフが、後に老婆を殺したことによって「自分を殺したんだ、永久に! 」 (第五部第四章)と語る場面からは、自己と他者についての深い哲学的な考察がなされていると感じた。 こうして私はドストエフスキーの作品をはじめとするロシア文学を耽読するようになり、「告白」の重要性に注意を払うことによって知識人の孤独と自意識の問題に鋭く迫った文芸評論家の小林秀雄のドストエフスキー論も強い関心を持って読んだ。 |obe| hoo| tsp| bhs| jhp| mir| amt| kfr| kpq| ovs| wuy| zfw| fcn| jir| eil| dji| irb| maj| lgv| spp| jzd| tzp| oyz| fxv| bsl| dkx| edi| oza| rnm| gss| eil| bfa| qra| ncl| vvq| rjm| nyf| sam| epk| lkw| vfj| xrd| uoj| cim| zxk| nlt| kro| rtq| gwy| czh|