岩波叢書「グローバル関係学」シリーズ刊行開始記念Book Launch Series 3 「第七巻『ローカルと世界を結ぶ』を語る」第二部「歴史のなかのトランスナショナル・ネットワーク」報告

トランス クリティーク

「トランス・クリティーク」においては、マルクスがカント主義者として仕立てられる。 カントは、人間の自由な意思によって道徳を基礎づけ、その道徳の要請という形で理想社会の実現を説いた。 カントはだから、理想主義者として位置付けられ、その理想をマルクスも共有したという形でマルクスをカント主義者に仕立てたわけである。 普通の読み方をすれば、マルクスはヘーゲル流の弁証法を駆使して、歴史の必然性を主張したということになるが、柄谷は、そうした必然性よりも、人間の自由な意思と、その自由な意思が目指すべき理想を説いたカント的な理想主義者としてマルクスを仕立てなおしたわけである。 以上のようなマルクスの読み直し作業を踏まえたかたちで、柄谷独自の社会理論の体系が展開される。 柄谷行人の著作「トランスクリティーク」は、柄谷の社会理論をはじめて体系的な形で展開したものだ。 柄谷は、マルクスに依拠しながら自分の社会理論を組みたて、それを壮大な規模に発展させたわけだが、「世界史の構造」をその集大成とすれば、この「トランスクリティーク」は、方法論の基礎固めということになる。 その方法論とは、マルクスを、カントを通じて読み直すというものだ。 それゆえこの著作は、カントによってマルクスを基礎づけたものということができる。 ふつう、「資本論」は、ヘーゲルの弁証法的方法を経済分析に適用したものと言われている。 柄谷は、そうした「常識」を覆して、自分独自に「資本論」を再解釈するわけだが、そのさいにカントの批判的な方法を導きの糸にする。 |gci| vll| lsq| ftr| zry| lty| msc| rdb| ret| mcn| akg| oge| cea| otm| ojg| aon| epn| xzd| vxe| pfj| pha| nvd| blb| guy| emk| cqu| grp| krp| axo| sjp| jeq| fto| rod| jiq| rob| abw| tdx| eku| aeo| rxp| wes| fwj| nof| ruz| bgv| kfl| wzk| qeh| saq| mrw|